普通の女の子

こちら側とあちら側。太陽と月。白と黒。

あなたとわたしの間には互いを隔てる薄くて透明な、でも絶対に壊すことができない膜がある。

ここから先あなたとわたしは絶対に混ざり合うことなく生きて行くんだ。

本当はそんな風に境界線なんて引かなくていいけど、生きていると嫌でも感じてしまう。

あっちとこっちは違うんだ。あちらにいるあなたは、こちらにいるわたしの気持ちを理解することなんて絶対に不可能だし、わたしだってそうだ。

もしかしたらやっぱり境界線なんてないのかもしれないと思ったりする日もあるが、わたしには絶対にあるあの境界線を見て見ぬ振りして生きて行くなんて無理だ。

若いからかもしれない。これから先長く生きて行くうちに、本当は境界線なんてなかったと思うかもしれない。

でも、18歳の12月のわたしはたしかにそう思ったんだ。


恋なんてしなくても生きていけるし、ろくに食べなくても、漫画や音楽がなくても、本なんて読まなくたって、劇なんて見なくても、生きていける。

でもそうじゃないと思ったから、わたしは今日もどうにかして何か無駄なことをして、しなくても生きていけることを大切にしたい。

境界線とかきっと馬鹿馬鹿しいけど、わたしにとっては本当に大きいものなんだもん。